勉強会が終わると、いつもの居酒屋で延長戦となる。モジャモジャ先生が前に話した『速く走る秘密』。ゆっくり走ると、どうして速く走れるのか。それがずっと頭から離れなかった。
ここぞとばかり、そのカラクリについて聞いてみると、先生はこんな話をしてくれた。
「カラダは、速く走る『走り方』を元々知っているんです。小さな芽が大輪の花になるのを知っているようにね。でも、小さい頃から一生懸命走っているうちに、それを忘れてしまうんです」
「ゆっくり走って、気持ち良さを感じてあげる。すると、それが栄養のように染み込んでいって、速く走る『走り方』をカラダが思い出してくれるんですよ」
ゆっくりって、どのくらいゆっくりなんだろうか。
「ゆっくり、ゆっくり。本当にゆっくり。早歩きよりゆっくりでも大丈夫です。なんなら、明日の朝まで走るつもりで」
ボクはしばらく、夜通し走っているペースを想像していた。
